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色のある世界へ


仕事で岩手県の復興支援プロジェクトに同行してきた。

 被災地の方々に被災された地域を案内してもらう機会をいただいた。

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港はめちゃくちゃになっており、震災が起きてから4ヶ月が経った現在も警察の方が捜索を行なっていた。その港におかれたギター。
「なぜ、こんなところにギターが」とつぶやいた俺に、海の専門家の方は「なんでもあるんだよ」と返す。しかし、何もかも転がっていても、ここにはもう息づかいがない。

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家に置き去りにされた時計は、津波の時刻を刻んだまま。
土台しか残らない家に玄関、台所、居間があったことを想像して、玄関であっただろうところに立ってみる。そこには生活があったのだということがうっすらと自分の中に感じることができる。しかし、それは他人としての生活感。本当に被災された方は、まるごと生活を流されてしまったのだ。それに比べれば自分が感じることができる生活感なんてどんなに小さい事だろう。

案内してくれた地元の方は、「ここにうちがあったんだよなぁ。いま、なぁんにも無くなってしまったけれど、これが不思議と実感がわかないんだ。」
60年近く住み続けてきた地域が一瞬にしてなくなってしまうという事はどういう事なのだろう。もし今、俺の住んでいる地域が無くなってしまったらと考えたら。。。

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避難所で見せていただいた、地域の昔の写真。
これの方が不思議と避難所の外の世界より色が感じられる。

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まちの中で、「がれき」の中から見つけられた写真を集め、ギャラリーとして公開、持ち主の方に返すという場所が地元の方によってつくられていた。
卒業証書、結婚式の写真、学校の集合写真、家族の写真、etc.
カラー写真が、かつての暮らしを彷彿とさせる。

今は何もないかもしれない。しかし、写真が描くような色のある世界が少しでも早く訪れる事を願っています。


〜〜〜

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行った日は、七夕だった。駅のホームにも短冊がたくさんあり、子どもは「くものうえでいっぱいおひるねしたい」と書いており、その横には、「元気で明るい岩手に戻れますように」というお母さんの声が。

〜〜〜
釜石市にもよらせていただいた。
釜石漁協は8割の方が亡くなられてしまったとの事だった。
それでも、鮭が川を上り始め、ウニ、海鞘、若布の準備といった漁の季節は始まっている。残った方々がそんな中、壊れた舟を直していた。しかし、舟は直っても舟を動かすモーターが手に入らないとの事だった。話しによると、メーカーのヤマハが国の一括買い上げ支援を待っており、個人へのモーターを提供するのを出し渋っているとのことだった。漁師の方は、呆れていた。行政の動きもさることながら、企業の醜い部分を垣間みた瞬間だった。

そんななか、隠していたウニをいただいた。
生ウニをその場で食べたのは初めてだった。濃厚なウニの美味しさにびっくりした瞬間でもあった。

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復興のために動き出している力強く、暖かい漁師の方々が、早く漁ができますように。

〜〜〜
今、被災地ではハエが大量発生している。
俺らがウニをいただいていると、どこからともなく大量のコバエたちがたかりだし、ウニの殻に群がっていた。これから暑くなってくるとどうなってしまうんだろう。
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〜〜〜
今回、同行させていただいた調査で、案内中は暗い様子だった地元の方が最後に未来を話し始めたときに、生き生きと目を輝かせていたのが忘れられない。「子どもも大人も未来を描くような仕事をして行きましょう!」
そんな果てもないような、夢物語かもしれない約束をしてきてしまったのだが、出来る限り力になれるよう今あるプロジェクトを進めていきたい。

今回、痛感したのは、自分が汗をかかない事へのいらだちだった。テレビでは感じることができない地元の空気には触れることができた。復興の息吹も感じることができた。
しかし、地元の方、専門家の方と一緒に町を歩くが、自分は専門性がない分、なにもできないもどかしさは積もる一方だった。青年海外協力隊や群馬での仕事で、その土地の人と一緒に汗をかき、面と向かって語り、ともに活動していくということの大切さを勉強してきた。今回の仕事でも、地域の人々と汗をかけるよう自分を磨いて行かなきゃならないし、何をすればいいのかと考えるきっかけになった。
 
〜〜〜
と、今回は少しダークな話題になりましたが、
次回は、山形の自然の写真をいっぱいお届けします!!
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